わーるど・あーむす

1980年生まれの私の備忘録です。アニソンやおもちゃについて語ります。

『マシュー・バーニー/クレマスター3』鑑賞しました。

マシュー・バーニー クレマスター3

 

~あらすじ~


神話の世界っぽい
六角柱石の島に住む小巨人
海洋洞窟に住む大巨人

小巨人→六角柱に杭を打ち込んでいる→下田にある六角柱石みたいなやつ
大巨人→海洋洞窟で羊を食べている→大巨人が海を渡って小巨人へ会いにいくことになった。

小巨人→夜に女性が2本の紐を編む姿を見ている。緑と白の紐
→小巨人は石膏(シリコン?)のようなもので何かを作る。丸いもの、三角のもの。

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三角は大工や左官士の持つ、セメントを塗る道具だった。→フリーメーソンのマークが見える。
キャデラックっぽい車の後のエンブレム?突起?を大工がセメントで塗っている。


地中からゾンビがはい出てくる。女性のようにも見えるし男性のようにも見える。とてもガリガリである。
→聖人?
はい出てきたところを謎の黒服集団に連れ去られる。
→黒塗りのクラシックカーに乗せられて高層ビルへ。
クラシックカーが5台のキャデラックみたいな車(色はばらばら)に囲まれる。
→執拗にクラシックカーがキャデラック5台に追突され、潰されていく。


平行して大工が高層ビルに入る。→止まったエレベーターをこじあけ、中から上によじ登る(ダイハード1っぽい)
→エレベーターのボックスに付いたら、タバコを吸ってスプリンクラーを作動させて水を出す
→セメントを作ってエレベーターのボックスにひたすら入れていく。


ビルの中のバーの個室では、白手袋をした怪しげな男たちが謎の握手やサインを交わす→フリーメーソン
バーカウンターの隣の小部屋ではジャガイモの型抜き専用の靴を履いた女性がいる。
謎の男たちは葉巻を吸ったりビールを飲んだり。
その後コンパス、L字定規、紐のついた球をいろいろいじりながらの秘密会議。
バーテンダーは双頭の鷲のタオルを使っている。→双頭の鷲は神聖ローマ帝国


大工の男は、エレベーター内がセメントでいっぱいになったので、ダイハードみたいに上に昇る。
昇ったら謎の初老の紳士がいた。
大工は紳士に牙だか杭みたいな謎の石を渡す。
大工はエレベーターをこじ開けて弦を通し、エレベーター3台で演奏する楽器を作る。(紳士の依頼?)
紳士はエレベーター楽器を奏でながら歌う。とても綺麗な声でうまい。


ここらへんでタイトルが入ったかな?
フリーメーソンマーク、プロヴィデンスの目、十字架、双頭の鷲、ケルト十字っぽいものが組み合わさったシンボル。


大工は仕事が終わったっぽいのでバーでビールを頼む。
バーテンダーは失敗ばかり、グラスを割ったりビールの泡だらけになったり、グラスがちゃんと置けなかったり。
ジャガイモ女のところにも泡がいってしまう。
大工のグラスが十字のグラスで、横のコルクから黒ビールの水滴が血のように滴っていた。


前半終わり
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ビルのバーで大工とジャガイモ女が会う。
そこから突然競馬場に変わる。
馬車の競馬。馬はゾンビ。
カップルが競馬を見てると、謎の男たちに、男だけ拘束される。→その場で猿ぐつわ、金属付いてる拷問器具?
→男の歯が全部抜かれる(男はさっきの大工?)
またビルに戻る。
バーに居た謎の男たちに拘束される大工。分娩台で服を脱がされるように促される。
謎の男たちは分娩台に大工を拘束し、顔にシリコンを引っ付ける。口だけ空いてる。歯がなくなってる。
→女が潰れて小さくなったクラシックカーを持ってくる。
→博士に渡す→博士が分娩台に行き、大工の口にクラシックカーの成れの果てを突っ込む。→聖遺物?
→大工の尻から腸?管?が出てきて、中から歯が生まれてくる。生殖器は平べったくなって無い状態。


博士が自分の仕事場に戻る。クリスタルタワー?大工が持ってきた角?を眺める。
→生まれた歯が博士のところに集まって膨らんでいる。
博士は黒い鉄の板をずらして重ねた、二柱の螺旋柱を作る
→昇る→謎の男たち(フリーメーソン?)に布ダンスで囲まれる(襲われる?)

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急にorderってのが始まる。
5階建ての謎の空間。
セクシーお姉ちゃんが泡風呂でおっぱいを見せながら、
登場人物の紹介をする。


口に布を突っ込まれた赤いライオンのような男(大工かな?)
空間にある取っ手を使ってボリダリングで行ったり来たり。
1階は泡姉ちゃんたち
2階はラインダンサーズ
3階はロックバンド対決
4階はガラスの義足の美女
5階は馬か羊を合わせたような大きいオブジェと天使の柱みたいなオブジェが大量に置かれている
6階はガスボンベでひたすらシリコンを溶かして壁にぶちまける謎の男


大工の男は一通りふらふらと昇ったり降りたりを繰り返す。
3階のロックバンド会場では十字の板の下にフリーメーソングッズがある。
4階のガラス義足の美女と抱き合った直後、美女が豹に変身。引っかかれる。
2階のラインダンス姉ちゃんの足の間に入って喜んでたら、1階に落とされる。
3階のフリーメーソングッズを取り出して、4階の豹になった姉ちゃんを撲殺する。


同時に、高層ビルでも博士と謎の男が格闘してて博士が撲殺される。
謎の男の下には天井の柱が刺さって謎の男も死ぬ。

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舞台がまた巨人の話に。

小巨人が家で寝ている。赤ちゃんのような恰好。orderの世界のような青い女性の服のような恰好をしている。
大巨人がやってきた。
小巨人はシリコンを食べている。大巨人も食べようとする。(まずそう)
大巨人が小巨人に近づいて触ろうとすると、大巨人の金色の指が噛み千切られる。
大巨人と小巨人の格闘。小巨人が優勢。たまらず外に逃げ出す大巨人。

小巨人は石板を円盤投げの容量で海に放り投げる。
石板は海底へ激しく沈んでいきました。


おわり

 

~感想~

クレマスターとは、睾丸の筋肉のことで、胎児が母体にいる時にその筋肉を使うことによって男女が決定するとのこと。

終始セリフは無く、巨人のくだりでは、
男性コーラス(ボイスパフォーマンス?)の音楽?みたいなもので巨人のシーンを切り替えている。
ビルのシーンはなんとも形容しがたい音が終始鳴っている。金属音とかテルミンぽいものとか。
orderはフロアーごとに音楽が鳴っている。ラインダンスだったりロックだったり。


コンテンポラリーアーティストの映画ということだったので、もっと難解な映画かと思っていたが、
最初に巨人の話、神話的な話から始まり、フリーメーソンや双頭の鷲などのシンボルやモチーフをちりばめていたため、
ストーリーのようなものはあるのか、と思いきや、後半のorderになってやっぱりあまり気にせずに見た方がいいと改めた時に
また巨人の話に戻ったので、ストーリーはあると見せかけて無い、と見せかけてやっぱりありそうだと思った。


3時間という長編なので絶対に途中で寝ると思っていたが、空撮の美しい映像や撮影のこだわりや各種モチーフ、小道具などがあり、
以外と退屈せずに見れた。考察してしまいたくなる気持ちにはなった。

コミカルにも見える合成映像(巨人のシーンは特撮っぽかった。)に対して、
有機的なメイクアップ、人工物でありながらどこか有機的な彫像など
見せたい作品をよりわかりやすく見せているように思えた。その作品が真に何を表しているかは作者のみぞ知るところだが。
そしてそれが決してチープであったり、偽物っぽく見えなかったところはすごいと思った。
この作品作るのにお金もたくさんかかったのだろうけど、

何よりもマシュー・バーニーさん自身の情熱。
ここまで全部やり遂げるという並々ならぬ情熱を感じた。

他者から、こういうオーダーで注文されたところで、それは他者の観点なので、
私では他者の観点の世界など創れないのだ。
自分が納得したいのならば、全部自分で作るしかない。